1.すきま風

作詞:いではく
作曲:遠藤実

人を愛して 人はこころひらき
傷ついて すきま風 知るだろう
いいさそれでも 生きてさえいれば
いつか やさしさに めぐりあえる
その朝 おまえは 小鳥のように
胸に抱かれて 眠ればいい

夢を追いかけ 夢にこころとられ
つまずいて すきま風 見るだろう
いいさそれでも 生きてさえいれば
いつか ほほえみに めぐりあえる
その朝 おまえは 野菊のように
道のほとりに 咲いたらいい

いいさそれでも 生きてさえいれば
いつか しあわせに めぐりあえる
その朝 おまえは すべてを忘れ
熱い涙を 流せばいい


2.明日の詩

作詞:いではく
作曲:遠藤実

たとえひと時の やすらぎでも
あれば明日から 生きてゆけると
つぶやいた 横顔に
何を答えれば いいんだろう
木枯らしの吹く朝が寂しかったら
おれの背中みつめながらついて来い
泣いて昨日を ふり返るより
明日の詩を 唄おう

いつもひと並みに くらすことが
ほんのささやかな 望みですと
さみしそうな ほほえみに
どんななぐさめが あるんだろう
ため息を消すように雨が降るなら
おれの胸でおもいきり泣くがいい
泣いて昨日を ふり返るより
明日の詩を 唄おう

人生がくり返すことはないけど
やりなおしはいつだってできるだろう
泣いて昨日を ふり返るより
明日の詩を 唄おう


3.おまえとおれ

作詞:杉良太郎
作曲:遠藤実

そんなに好きじゃなかったんだよ 初めはさ
それほど いい女でもないお前にさ
どうかしてたよ 俺も
だけど…これが男と女かな
俺しかないんだね 俺しかないんだね
お前には

何にも出来ないおまえになんで惚れたのか
他にも 好きな女が あゝいたのにさ
どうかしてたよ 俺も
だけど…幸福にしてみたかった
俺しかないんだね 俺しかないんだね
お前には

こんなに深くなるのがとってもこわかった
年の差 気にせず燃えて 結ばれた夜
どうかしてたよ 俺も
だけど…お前をいまは愛してる
俺しかないんだね 俺しかないんだね
お前には


4.なやみ

作詞:久仁京介
作曲:遠藤実

左の腕が 今朝はしびれる
お前の肩抱き ひと晩眠った
男のアパート 訪れた
お前の場合は あそびじゃなくなる
これでいいのか 間違いか
出来ればこの手で しあわせあげたい

畳の上に 朝の新聞
パジャマをたたんで はじらい浮べる
くずれた生活 みせたなら
お前の場合は 苦しむだろうよ
これでいいのか 間違いか
別れて行くほど 強くもないのさ

あまりにまぶしい 眼のひかり
みるほどお前が 愛しくなるけど
これでいいのか 間違いか
出来ればこの手で しあわせあげたい


5.男の人生

作詞:藤田まさと
作曲:遠藤実

泥をつかんで 歩こうと
傷を背負って 歩こうと
歩いた道に 悔はない
俺の選んだ 人生だ
生きてく道は 生きてく道は
アー ひとつだけ

気障なようだが この俺に
惚れた女が ひとり居た
真ッ暗闇の 道端で
抱いたあいつの 細い肩
そのぬくもりが そのぬくもりが
アー 身に沁みた

過去をほじくりゃ きりがない
俺とあいつの 生きざまを
笑ったやつも いたけれど
俺はうしろを 見たくない
あいつが側に あいつが側に
アー いる限り


6.江戸の黒豹

作詞:いではく
作曲:遠藤実

乾いた街の 片隅で
おまえは何を 探すのか
傷つき紅い 痛みに耐えて
炎のように 燃える眼は
男の怒りか 男の怒りか
江戸の黒豹

夜風の唄を 聞きながら
おまえは何処に 帰るのか
孤独の影を みちずれにして
明日の夢を どこでみる
枯葉の枕か 枯葉の枕か
江戸の黒豹

東の空が 白む時
おまえは何を 叫ぶのか
名もない人の 小さな夢を
奪うやつなら 許せない
涙の熱さか 涙の熱さか
江戸の黒豹
江戸の黒豹


7.ああ人生に涙あり

作詞:山上路夫
作曲:木下忠司

人生 楽ありゃ苦もあるさ
涙のあとには 虹も出る
歩いてゆくんだ しっかりと
自分の道を ふみしめて

人生 勇気が必要だ
くじけりゃ誰かが 先に行く
あとから来たのに 追い越され
泣くのがいやなら さあ歩け

人生 涙と笑顔あり
そんなに悪くは ないもんだ
なんにもしないで 生きるより
何かを求めて 生きようよ


8.江戸の夜明け

作詞:川内康範
作曲:曽根康明

明日があるよで ないよな運命(さだめ)
恋も人情も 世間の外で
赤い夕陽を背に浴びながら
江戸の夜明けの幕をひく
隠密同心 捜査網

花が咲くよに この世を生きて
おれも人の子 散りたいけれど
そうはいかない事件が起きる
だから行くのだ江戸の街
隠密同心 捜査網

呼んでくれるな 愛しい人よ
命ひとつが ままにはならぬ
江戸の夜明けを静かに開けて
明日は何処かへ消えている
隠密同心 捜査網


9.君は人のために死ねるか

作詞:杉良太郎
作曲:遠藤実

昨日ひとりの男が死んだ
戦って戦って ひっそり死んだ
あいつは何の取り柄もない
素寒貧な若ものだった
しかしあいつは知っていた熱い涙を
戦って死ぬことを
どうして死んだのかとは
訊かない訊かない
でもあいつの青春は
何処へ何処へ埋めてやればいい

君は人のために死ねるか
君は人のために死ねるか
あいつの名はポリスマン

昔 人は戦さで死んだ
国のため戦って 黙って死んだ
いま熱い血は何処にもない
泣くことさえ人は忘れた
しかし世慣れたさゝやきや薄ら笑いで
倖せを守れるか
明日に男が死んで
消えても消えても
花も言葉もいらない
風が空を過ぎたら忘れてほしい

君は人のために死ねるか
君は人のために死ねるか
そいつの名はポリスマン

許せない奴がいる
許せない事がある
だから倒れても倒れても
立ち上る立ち上がる
俺の名前はポリスマン


10.愛と泪

作詞:いではく
作曲:遠藤実

運命に負けたわと 泪の置き手紙
おまえは いまごろ どうしてるだろう
昔の話が じゃまになったら
忘れたけれど つまらない
男よ 男だと 話してくれよ

(セリフ)はじめて「おまえ」って呼んだ時
あいつはうれしそうな顔をしたっけ
いまでは夢の中でしか逢えなくなったけど
やっぱりおれが惚れたおんなは あいつひとりさ

もうすぐおまえの 好きな花の季節
せめても その花 飾っておくさ
思い出ほしくて さみしかったら
旅から帰る気軽さで
この部屋に この部屋に 戻って来いよ

かくれて泣いていた おまえの細い肩
いまなら この手に 抱きしめてやれる
心の傷に 世間の風が
冷たい時は 遠慮なく
この胸で泣くがいい 迎えに行くよ


11.めぐり逢いふたたび

作詞:なかにし礼
作曲:浜圭介

ききわけのない子だね
この俺を責めないで
俺だってお前とはなれて
生きるつもりはないんだよ
置き去りにしたくない
出来るなら いっそこの腕で
お前を殺してしまいたい

花も実も結ばない
青春を生きたけど
お前というきれいな心を
知っただけでも悔いはない
抱きあっている時に
世界中 音をたてながら
崩れてしまえばいいものを

泣きながら 語りあい
さよならの朝が来た
美しいお前の裸を
見せておくれよもう一度
この次の人生も
めぐり逢い そして愛しあい
お前となりたい幸せに


12.飛翔

作詞:保富康午
作曲:浜圭介

肩にそっと置く手にも
おまえは震えてた
傷ついた小鳥は
誰に射たれたのか

つらいだけが人生と
みつめかえす無垢な眼が
おれの心はだかにして
なにもなにも言えなかったぜ

生きる日々のみちのりに
みんなどこか傷ついて
つばさ抱いてはるかな空
ひとり憧れるだけ

痛む胸を寄せあって
傷はいつかいやせても
折れたつばさ 砕けた夢
誰がはばたかすのか

愛を信じ高く飛べ
つばさひろげ太陽へ
燃えるいのち果てない夢
それが人生なのさ

愛を信じ高く飛べ
つばさひろげ太陽へ
燃えるいのち果てない夢
それが人生なのさ


13.きずな

作詞:いではく
作曲:遠藤実

あなたがいのちと 帰る背中に
泣きながら しがみつく
いとしいおまえ
苦労をかけると 心でわびて
肩よせ くぐった 縄のれん
熱めの酒が 熱めの酒が しみてくる

世間の噂が こころにささる
つらさにも なれたわと
言ってた おまえ
わずかの酒にも ほほそめながら
はなやぐおまえを みていると
すさんだ俺が すさんだ俺が 洗われる

あなたのともした 愛の灯りを
生きがいに 暮らすわと
けなげな おまえ
男の涙は 見せないけれど
おまえのこころにゃ 負けたよと
きずなの糸を きずなの糸を かたく抱く


14.雨の物語

作詞:なかにし礼
作曲:浜圭介

泣いてすがるお前を 道端に残して
車のドアをしめる 俺の冷たさよ
雨よ降れ残酷に 雨よ降れ無情に
どうにもなりはしない 二人のこの恋は
俺に幻滅すれば 別れやすかろうと
そんな想いを込めて 冷たくしてみた

バックミラーにうつる お前の細い影
それをふりきるように 走り出せるのか
雨よ降れ残酷に 雨よ降れ無情に
二人の想い出など 水に流してくれ
ワイパーをつかっても 前が見えやしない
俺の心づもりを 涙が邪魔する

雨よ降れ残酷に 雨よ降れ無情に
どうにもならないなら ならないままでいい
俺は車をおりて お前に手をのばし
ふらふらと歩きだす 雨の物語


15.道標

作詞:結城燎
作曲:猪俣公章

何を信じて 生きればいいと
問わず語りの夜もある
この裏切りの うずまく中で
オレの心は 錆びてゆく
人は誰でも 弱い罪人
責める事など 出来ないさ
生きてるうちは 皆 迷い人
どんな夢見て 何処へ行く…

明日という日が オレの道標
明日という名の 道標

涙が似合う 年でもないと
胸の痛みを 突き放す
辛いことだけ 忘れてしまえ
オレのいつもの 口癖さ
人は誰でも 寒い旅人
時をさすらう 流れ者
生きてるうちは 皆 迷い人
どんな夢見て 何処へ行く…

明日という日が オレの道標
明日という名の 道標

明日という日が オレの道標
明日という名の 道標


16.飲もうぜ

作詞:津村泰彦
作曲:津村泰彦

かなしい男の寂しい歌が
聞こえて来るよな 街灯かり
全てを捨ててこそ 浮かぶ瀬もあると
見上げた空に雨が降る

※男はいつでもつらいものだから
思い出グラス抱きしめて
熱い想いをとかすのさ
飲もうぜ今夜も 夜が明けるまで…※

眠れぬ夜には 窓少し開けて
アイツの名前を呼んでみる
星空よ返してよ あの日あの時を
流れる涙 嘘じゃない

(※くり返し)

飲むだけ飲んで 泣くだけ泣いて
涙が枯れたその後で
静かに目を閉じた 男の優しさが
少しづつ やって来る

(※くり返し)

夜が明けるまで…


17.人生はバラード

作詞:杉良太郎
作曲:堀内孝雄

今、この幸せを 詩(うた)にして
あなただけに そっと贈ります。

いつでも私は 少年のままで
素朴な人生の夢を見た

さみしさこらえる 愛の日々
孤独の花が胸を打つ
けれども あなたが あなたがいる

人生は美しいバラード
人生は素晴らしいバラード
いつわりのない この詩(うた)を
今日も明日も 歌いつづける

くる日もくる日も あかりの消えた客席で
私のことを気づかって ささえてくれる
溢れる涙をのみこんで
拍手にかえてくれたとき
生きる力をかみしめる

人生は美しいバラード
人生は素晴らしいバラード
さようならのない この詩(うた)を
今日も明日も 歌いつづける

人生は美しいバラード
人生は素晴らしいバラード
さようならのない この詩(うた)を
今日も明日も 歌いつづける
あなたのために 歌いつづける
あなたのために 歌いつづける


18.ついて来るかい

作詞:遠藤実
作曲:遠藤実

ついて来るかい 何も聞かないで
ついて来るかい 過去のある僕に
君を愛していればこそ
生まれ変われた僕なのさ
ついて来るかい 涙をわけあい
ついて来るかい 僕を信じて

ついて来るかい 噂気にせずに
ついて来るかい 悲しみの僕に
身体の弱い君なのに
苦労をかけてすまないね
ついて来るかい 何も持たない僕に
ついて来るかい しあわせ求めて

なんでそんなにかわいい瞳(め)で
僕をみつめて泣かすのさ
ついて来るかい あしたからふたり
ついて来るかい どこまでもふたり


19.くちなしの花

作詞:水木かおる
作曲:遠藤実

いまでは指輪も まわるほど
やせてやつれた おまえのうわさ
くちなしの花の 花のかおりが
旅路のはてまで ついてくる
くちなしの 白い花
おまえのような 花だった

わがままいっては 困らせた
子供みたいな あの日のおまえ
くちなしの雨の 雨のわかれが
今でもこころを しめつける
くちなしの 白い花
おまえのような 花だった

小さなしあわせ それさえも
捨ててしまった 自分の手から
くちなしの花を 花を見るたび
淋しい笑顔が またうかぶ
くちなしの 白い花
おまえのような 花だった


20.星影のワルツ

作詞:白鳥園枝
作曲:遠藤実

別れることは つらいけど
仕方がないんだ 君のため
別れに 星影のワルツを
うたおう……
冷たい心じゃ ないんだよ
冷たい心じゃ ないんだよ
今でも好きだ 死ぬ程に

一緒になれる 倖せを
二人で夢見た ほほえんだ
別れに 星影のワルツを
うたおう……
あんなに愛した 仲なのに
あんなに愛した 仲なのに
涙がにじむ 夜の窓

さよならなんて どうしても
いえないだろうな 泣くだろうな
別れに 星影のワルツを
うたおう……
遠くで祈ろう 倖せを
遠くで祈ろう 倖せを
今夜も星が 降るようだ


21.女の意地

作詞:鈴木道明
作曲:鈴木道明

こんなに 別れが苦しいものなら
二度と恋など したくはないわ
忘れられない あの人だけど
別れにゃならない 女の意地なの

二度と逢うまい 別れた人に
逢えば未練の 涙をさそう
夜風つめたく まぶたにしみて
女心は はかなく悲し

想いだすまい 別れた人を
女心は頼りないのよ
涙こらえて 夜空を仰げば
またたく星が にじんでこぼれた


22.東京流れもの

作詞:永井ひろし
作曲:桜田誠一

流れ流れて 東京を
そぞろ歩きは 軟派でも
心にゃ硬派の 血が通う
花の一匹 人生だ
ああ 東京流れもの

夜の暗さに はぐれても
若い一途な 純情は
後生大事に 抱いて行く
浪花節だよ 人生は
ああ 東京流れもの

曲りくねった 道だって
こうと決めたら まっすぐに
嘘とお世辞の 御時世にゃ
いてもいいだろ こんな奴
ああ 東京流れもの


23.花と蝶

作詞:川内康範
作曲:彩木雅夫

花が女か 男が蝶か
蝶のくちづけ うけながら
花が散るとき 蝶が死ぬ
そんな恋する 女になりたい

花が咲くとき 蝶が飛ぶ
蝶が死ぬとき 花が散る
春を競って あでやかに
どちらも どちらも 命を賭ける

花のいのちは 短いけれど
蝶のいのちも はかなくて
花が散るとき 蝶が死ぬ
そんな恋する 二人になりたい


24.昭和ブルース

作詞:山上路夫
作曲:佐藤勝

うまれた時が 悪いのか
それとも俺が 悪いのか
何もしないで 生きてゆくなら
それはたやすい ことだけど

この世に生んだ お母さん
あなたの愛に つつまれて
何も知らずに 生きてゆくなら
それはやさしい ことだけど

なんにもせずに 死んでゆく
おれにはそれが つらいのさ
とめてくれるな 可愛い人よ
涙ながれて 来るけれど


25.知床旅情

作詞:森繁久弥
作曲:森繁久弥

知床の岬に
はまなすの 咲くころ
思い出しておくれ 俺たちの事を
飲んで騒いで 丘にのぼれば
はるかクナシリに 白夜(びゃくや)は明ける

旅の情けか
酔うほどに さまよい
浜に出てみれば 月は照る波の上
今宵(こよい)こそ君を 抱きしめんと
岩かげに寄れば ピリカが笑う

別れの日は来た
知床(ラウス)の 村にも
君は出てゆく 峠をこえて
忘れちゃいやだよ 気まぐれカラスさん
私を泣かすな 白いかもめよ
白いかもめよ


26.やすらぎ

作詞:中山大三郎
作曲:中山大三郎

あなたがその気なら しかたがないわねと
おまえはうつむいて 静かに背をむけた
季節が変わって 咲く花も変わり
バラのつぼみが ほころびる頃さ
そうさ おれのせいでいいさ
ほんとはおまえから 別れを言い出した

おまえのことならば なんでも知っている
浮気な恋心 傷ある過去さえも
何かを求めて さまよってみても
悲しい想い出が ふえてゆくだけさ
そうさ 夢はいつかさめる
待っててあげようか 目覚めるその日まで

しばらく旅に出て あらってくるがいい
昔のことなんか 忘れてくるがいい
あずけておくよ この部屋の鍵は
きつといつかは 使いたくなるさ
そうさ そんな時が来るさ
その時やすらぎを おまえは知るだろう


27.昔の名前で出ています

作詞:星野哲郎
作曲:叶弦大

京都にいるときゃ 忍と呼ばれたの
神戸じゃ渚と 名乗ったの
横浜の酒場に 戻ったその日から
あなたがさがして くれるの待つわ
昔の名前で 出ています

忘れたことなど 一度もなかったわ
いろんな男を 知るたびに
いつもこの胸 かすめる面影の
あなたを信じて ここまできたわ
昔の名前で 出ています

あなたの似顔を ボトルに書きました
ひろみの命と 書きました
流れ女の さいごの止まり木に
あなたが止まって くれるの待つわ
昔の名前で 出ています


28.そして、神戸

作詞:千家和也
作曲:浜圭介

神戸 泣いて どうなるのか
捨てられた我身が みじめになるだけ
神戸 船の灯(あかり)うつす
濁り水の中に 靴を投げ落す
そして ひとつが 終り
そして ひとつが 生まれ
夢の続き 見せてくれる
相手 捜すのよ

神戸 呼んで 帰る人か
傷ついた心が みにくくなるだけ
神戸 無理に足を運び
眼についた名もない 花を踏みにじる
そして ひとつが 終り
そして ひとつが 生まれ
誰かうまい 嘘のつける
相手 捜すのよ
誰かうまい 嘘のつける
相手 捜すのよ


29.二人でお酒を

作詞:山上路夫
作曲:平尾昌晃

うらみっこなしで 別れましょうね
さらりと水に すべて流して
心配しないで ひとりっきりは
子供のころから 慣れているのよ
それでもたまに 淋しくなったら
二人でお酒を 飲みましょうね
飲みましょうね

いたわり合って 別れましょうね
こうなったのも お互いのせい
あなたと私は 似たもの同志
欠点ばかりが 目立つ二人よ
どちらか急に 淋しくなったら
二人でお酒を 飲みましょうね
飲みましょうね

どうにかなるでしょ ここの町の
どこかで私は 生きてゆくのよ
それでもたまに 淋しくなったら
二人でお酒を 飲みましょうね
飲みましょうね


30.おゆき

作詞:関根浩子
作曲:弦哲也

持って生まれた 運命(さだめ)まで
変えることなど 出来ないと
肩に置いた手 ふりきるように
俺の背中に まわって泣いた
あれは… おゆきという女

少しおくれて 歩く癖
それを叱って 抱きよせた
つゞく坂道 陽の射す場所に
連れて行(ゆ)きたい このまゝそっと
あれは… おゆきという女

湯気に浮かんだ 茶柱で
明日を占う 細い指
どこか不幸がとりつきやすい
そんな気がする ほくろがひとつ
あれは… おゆきという女


31.夢追い酒

作詞:星野栄一
作曲:遠藤実

悲しさまぎらす この酒を
誰が名付けた 夢追い酒と
あなたなぜなぜ
わたしを捨てた
みんなあげてつくした
その果てに
夜の酒場で ひとり泣く

死ぬまで一緒と 信じてた
わたし馬鹿です 馬鹿でした
あなたなぜなぜ
わたしを捨てた
指をからめ眠った
幸せを
思い出させる 流し唄

おまえと呼ばれた 気がしたの
雨ににじんだ 酒場の小窓
あなたなぜなぜ
わたしを捨てた
じんとお酒心に
燃えさせて
夢を追いましょ もう一度


32.他人船

作詞:遠藤実
作曲:遠藤実

別れてくれと 云う前に
死ねよと云って ほしかった
ああ この黒髪の 先までが
あなたを愛しているものを
引離す 引離す 他人船

背中を向けた 桟橋で
さよなら云えず 濡らす頬
ああ この指切の 指までが
あなたを愛しているものを
引離す 引離す 他人船

いつか逢えると それだけを
のぞみにかけて 生きてゆく
ああ この目の下の ホクロさえ
あなたを愛しているものを
引離す 引離す 他人船


33.石狩挽歌

作詞:なかにし礼
作曲:浜圭介

海猫(ごめ)が鳴くから ニシンが来ると
赤い筒袖(つっぽ)の ヤン衆がさわぐ
雪に埋もれた 番屋の隅で
わたしゃ夜通し 飯を炊く
あれから ニシンはどこへ行ったやら
破れた網は 問い刺し網か
今じゃ浜辺で オンボロロ
オンボロボロロー
沖を通るは 笠戸丸(かさとまる)
わたしゃ涙で にしん曇りの空を見る

燃えろ篝火朝里(かがりびあさり)の浜に
海は銀色 にしんの色よ
ソーラン節に 頬そめながら
わたしゃ大漁の 網を曳く
あれから ニシンはどこへ行ったやら
オタモイ岬の ニシン御殿も
今じゃさびれて オンボロロ
オンボロボロロー
かわらぬものは 古代文字
わたしゃ涙で 娘ざかりの夢を見る


34.粋な別れ

作詞:浜口庫之助
作曲:浜口庫之助

生命に終りがある
恋にも終りがくる
秋には枯葉が
小枝と別れ
夕べには太陽が
空と別れる
誰も涙なんか
流しはしない
泣かないで 泣かないで
粋な別れをしようぜ

生命に終りがある
恋にも終りがくる
はかない生命は
切なくもえて
どこか消えてゆく
煙草の煙
恋の行方なんか
わかりはしない
追わないで 追わないで
粋な別れをしようぜ